TAX RETURN FOR INVESTING
投資の確定申告は必要?不要?
特定口座・NISA・iDeCoの税金の
仕組みをわかりやすく解説
口座種類によって申告要否は大きく違う。
元銀行員FPが具体例でわかりやすく解説します。
「投資を始めたら確定申告が必要になりますか?」FP相談で最も多く聞かれる質問の1つです。結論から言うと、口座の種類によって申告要否は大きく変わります。特定口座(源泉徴収あり)なら基本的に不要、特定口座(源泉徴収なし)なら原則必要、NISAは運用益非課税なので不要、iDeCoは年末調整か確定申告で所得控除を受ける必要ありこのルールを知らずに始めると、申告漏れで追徴課税を受けたり、逆に申告すれば受けられる節税を逃したりします。この記事では、口座種類別の申告要否・税金の仕組み・損益通算・損失の繰越控除まで、初心者にもわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- 投資の所得にかかる税金の基本(税率20.315%の内訳)
- 口座種類別の確定申告の要否(特定口座・一般口座・NISA・iDeCo)
- 「申告したほうが得な場合」の具体例(損益通算・繰越控除)
- 確定申告の手順(e-Taxで20分で完了)
- 配当金の課税方式の選び方(申告不要・総合課税・申告分離)
- 海外ETF(VOO等)を保有している場合の注意点
藤井拓也より(元メガバンク行員・2級FP技能士)
銀行員時代、お客様に投資を勧める時に「税金は自動で引かれるので何もしなくて大丈夫ですよ」と説明していました。確かに「特定口座(源泉徴収あり)」を選べば、基本的に確定申告は不要。でも「申告したほうがお得な場合」もあることは、ほとんど説明していませんでした。
例えば含み損を抱えた年に確定申告すると、損失を最大3年間繰り越せる。翌年利益が出た時に、その損失と相殺して税金を減らせる。この制度を知らずに何十万円も税金を多く払った方を何人も見てきました。
この記事を読めば、「自分は確定申告が必要か」「申告したほうが得なケース」が明確にわかります。税金は知識で変わる分野最低限のルールを押さえておきましょう。
- 投資の所得にかかる税金の基本
- 口座種類別の確定申告の要否【早見表】
- 口座①:NISA口座完全非課税で申告不要
- 口座②:特定口座(源泉徴収あり)原則申告不要
- 口座③:特定口座(源泉徴収なし)・一般口座申告必要
- 口座④:iDeCo年末調整か確定申告で所得控除
- 損益通算で節税知って得する制度
- 損失の繰越控除含み損は「資産」になる
- 確定申告の手順e-Taxなら20分で完了
- 配当金の課税方式3つの選択肢
- 海外ETFの配当金外国税額控除で取り戻せる
- 「確定申告しないとバレる?」源泉徴収なしの場合の税務調査
- 年末調整と確定申告の違い会社員が知っておくべき基礎知識
- 確定申告の「期限後申告」と「還付申告」の違い
- ふるさと納税との関係併用時の注意点
- 投資家が知っておくべき「税制改正」の動向
- 筆者の実体験損益通算で12万円還付されたエピソード
- よくある質問
- まとめ
投資の所得にかかる税金の基本
まず、投資で得られる利益にどのような税金がかかるか整理しましょう。税金の種類と税率の基本を押さえれば、確定申告の話がスッキリ理解できます。
| 所得の種類 | 税率 | 内訳 | 具体例 |
|---|---|---|---|
| 譲渡所得(売却益) | 20.315% | 所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5% | 株・投信を売って得た利益 |
| 配当所得(配当金・分配金) | 20.315% | 所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5% | 株の配当・ETFの分配金 |
| 利子所得(債券の利息) | 20.315% | 所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5% | 国債・社債の利息 |
| NISAの利益 | 0%(非課税) | 全額非課税 | NISA口座で得た利益すべて |
投資の利益にかかる税金は、基本的に一律20.315%。内訳は「所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%」。他の所得(給与所得等)と分離されて課税される「申告分離課税」が原則です。年収が高くても税率は変わらないため、高所得者ほど投資の税制上のメリットが大きい。一方、NISA口座で得た利益は完全非課税これが新NISAを最優先すべき最大の理由です。
口座種類別の確定申告の要否【早見表】
結論を先に口座種類別の確定申告の要否は以下の表の通りです。自分がどの口座を使っているか確認してください。
| 口座の種類 | 税金の扱い | 確定申告 | 申告で得するケース |
|---|---|---|---|
| ①NISA口座 | 完全非課税 | 不要(絶対に不要) | なし |
| ②特定口座(源泉徴収あり) | 源泉徴収で完結 | 原則不要 | 損益通算・繰越控除を使いたい時 |
| ③特定口座(源泉徴収なし) | 自分で納税 | 原則必要(利益20万円超) | — |
| ④一般口座 | 自分で計算・納税 | 必要(利益20万円超) | — |
| ⑤iDeCo | 所得控除あり | 年末調整 or 確定申告 | 自営業・会社員で年末調整し忘れた時 |
結論:ほとんどの個人投資家は「NISA+特定口座(源泉徴収あり)」を使うため、確定申告は基本的に不要。iDeCoをやっている会社員は年末調整で済みます。自営業者・個人事業主の方、または一般口座や特定口座(源泉徴収なし)を使っている方は申告が必要です。
💡 ほとんどの人は「特定口座(源泉徴収あり)」を選ぶべき
口座開設時に「特定口座」or「一般口座」を選ぶ欄があります。迷わず「特定口座(源泉徴収あり)」を選んでください。これなら利益が出ても証券会社が自動で税金を差し引き、確定申告は基本的に不要。年間取引報告書も証券会社が作成してくれます。「一般口座」は自分で全て計算する必要があり、個人では管理が非常に大変です。

口座①:NISA口座完全非課税で申告不要
NISA口座は運用益が全額非課税。確定申告は絶対に不要です。これが新NISA最大の魅力。
| NISAの税金関連の特徴 | 詳細 |
|---|---|
| 運用益への課税 | 0%(全額非課税) |
| 配当金・分配金への課税 | 0%(株式数比例配分方式を選択した場合) |
| 確定申告 | 不要 |
| 損益通算 | 不可(他の口座との通算はできない) |
| 損失の繰越控除 | 不可 |
NISA口座は「利益が出ても税金ゼロ」というシンプルな制度。ただし損失が出た場合は「なかったこと」になります。他の口座(特定口座等)の利益と損益通算できないため、大きな損失が出た時はやや不利。とはいえ長期インデックス投資を続けていれば、15年以上の保有期間ではほぼ確実にプラスリターンになるため、実用上は気にしなくて大丈夫です。
💡 NISAの配当金を非課税で受け取るには「株式数比例配分方式」の設定が必要
NISAで株式やETFを保有している場合、配当金の受取方式を「株式数比例配分方式」に設定する必要があります。これを設定しないと、NISA口座の配当金でも20.315%の税金がかかってしまいます。証券会社のマイページから変更可能。投資信託(eMAXIS Slim等)だけなら関係ありませんが、個別株やETFを持つならこの設定は忘れずに。
口座②:特定口座(源泉徴収あり)原則申告不要
初心者に最もおすすめなのが特定口座(源泉徴収あり)。証券会社が税金の計算と納税を自動で行ってくれるため、原則確定申告が不要です。
| 特定口座(源泉徴収あり)の特徴 | 詳細 |
|---|---|
| 税金の計算 | 証券会社が自動計算 |
| 税金の納付 | 売却時に源泉徴収(自動) |
| 確定申告 | 原則不要 |
| 年間取引報告書 | 証券会社が毎年1月に作成 |
| 配偶者控除への影響 | 利益が合計所得金額に含まれない |
| 扶養控除への影響 | 含まれない |
源泉徴収ありを選ぶ最大のメリットは「投資の利益が扶養や配偶者控除に影響しない」こと。主婦(パート含む)の方が投資で利益を出しても、103万円の壁・130万円の壁を気にする必要がありません。複数口座を持つメリットでも解説しましたが、主婦の方は必ず「源泉徴収あり」を選んでください。
申告した方が得するケース(源泉徴収あり)
①損益通算:複数の証券会社の口座で利益と損失が混在する場合、合算して節税
②損失の繰越控除:年間の損失を翌年以降3年間繰り越して、将来の利益と相殺
③配当控除:低所得者(課税所得330万円以下)は総合課税を選ぶと税率が下がる場合あり
④外国税額控除:海外ETFの配当金で米国課税された分を取り戻す
口座③:特定口座(源泉徴収なし)・一般口座申告必要
これらの口座は、利益があれば自分で確定申告する必要があります。初心者は選ばない方が無難です。
| 条件 | 特定口座(源泉徴収なし) | 一般口座 |
|---|---|---|
| 年間利益20万円超(会社員) | 確定申告必要 | 確定申告必要 |
| 年間利益20万円以下(会社員) | 所得税は不要だが住民税は申告必要 | 同左 |
| 自営業・個人事業主 | 常に申告必要 | 常に申告必要 |
| 年間取引報告書 | 証券会社が作成 | 自分で作成 |
⚠️ 「住民税の申告」を忘れがち
会社員が年間利益20万円以下の場合、所得税の申告は不要ですが住民税の申告は必要です。「所得税不要=何もしなくていい」と誤解する人が多いですが、住民税は利益20万円以下でも申告義務あり。市区町村役場への申告を忘れると、後から住民税の追徴を受けることがあります。特定口座(源泉徴収あり)ならこの問題も発生しないため、やはり「源泉徴収あり」がおすすめです。

口座④:iDeCo年末調整か確定申告で所得控除
iDeCoは掛金が全額所得控除になるため、年末調整または確定申告で控除申請が必要です。忘れると節税メリットがゼロになります。
| 立場 | 手続き方法 | 必要書類 | 期限 |
|---|---|---|---|
| 会社員 | 年末調整(職場で完結) | 小規模企業共済等掛金払込証明書 | 11〜12月(会社の指示に従う) |
| 会社員(年末調整忘れた) | 確定申告で還付請求 | 小規模企業共済等掛金払込証明書+源泉徴収票 | 翌年3月15日まで |
| 自営業・個人事業主 | 確定申告 | 小規模企業共済等掛金払込証明書 | 翌年3月15日まで |
10月〜11月頃、国民年金基金連合会から「小規模企業共済等掛金払込証明書」が届きます。これを絶対に失くさないでください。会社員は年末調整書類と一緒に提出、自営業者は確定申告で使用。会社員で年末調整に間に合わなかった場合も、翌年3月15日までに確定申告すれば所得控除を受けられます。iDeCoの詳細も併せてどうぞ。
損益通算で節税知って得する制度
複数の証券会社で口座を持っている場合、確定申告することで損益通算(利益と損失を相殺)できます。税金を取り戻せる可能性があるため、該当する方は申告を検討しましょう。
💡 損益通算の具体例
ケース:Aさんの2026年の投資損益
・SBI証券(特定口座・源泉徴収あり):年間利益50万円 → 税金約10万円天引き
・楽天証券(特定口座・源泉徴収あり):年間損失30万円 → 税金0円
何もしない場合:SBIで10万円の税金を払ったまま。楽天の30万円の損失は「なかったこと」に。
確定申告で損益通算した場合:実質利益は20万円(50万-30万)になり、税金は約4万円で済む。差額の約6万円が還付。
複数証券会社を使っている方は、年間取引報告書を確認して「利益と損失が混在」しているかチェック。混在していれば、確定申告で数万円〜数十万円の還付が見込めます。「証券口座は複数持つべきか」も参考にしてください。

損失の繰越控除含み損は「資産」になる
年間の投資損失は、確定申告すれば翌年以降3年間繰り越せます(繰越控除)。翌年以降に利益が出た時、その損失と相殺して税金を減らせる強力な制度です。
💡 繰越控除の具体例
ケース:Bさんの3年間の投資損益(暴落後の回復パターン)
・2025年:損失100万円 → 確定申告で繰越控除の手続き
・2026年:利益50万円 → 繰越した損失と相殺し、課税対象は0円(税金約10万円の節約)
・2027年:利益80万円 → 残り50万円の損失と相殺し、課税対象は30万円(税金約10万円の節約)
3年間の節税効果:合計約20万円。確定申告の手間(年20分程度)でこの還付は破格。暴落年こそ確定申告すべき理由です。
⚠️ 繰越控除の注意点
①初年度の申告が必須:損失が出た年に確定申告しないと繰越できない
②3年間連続で申告:繰越期間中は利益が出なくても毎年申告が必要(中断すると繰越権利を失う)
③NISA口座の損失は対象外:NISAで出た損失は繰越できない
確定申告の手順e-Taxなら20分で完了
確定申告は「面倒そう」というイメージがありますが、e-Tax(電子申告)なら20〜30分で完了します。投資の申告に限って言えば、非常にシンプルです。
| ステップ | 作業内容 | 所要時間 |
|---|---|---|
| ①準備 | マイナンバーカード・年間取引報告書・源泉徴収票を用意 | 5分 |
| ②e-Taxサイトでログイン | 国税庁「確定申告書等作成コーナー」でマイナポータル連携 | 3分 |
| ③給与所得の入力 | 源泉徴収票から数字を転記(会社員の場合) | 5分 |
| ④投資の利益・損失を入力 | 年間取引報告書の数字を転記 | 5分 |
| ⑤iDeCo等の控除を入力 | 小規模企業共済等掛金払込証明書の金額を入力 | 2分 |
| ⑥電子送信 | 内容確認→e-Taxで送信 | 3分 |
e-Taxの便利機能
・マイナポータル連携:源泉徴収票・年間取引報告書・iDeCo証明書を自動取得(転記不要)
・自動計算:税額は自動計算されるため計算ミスがない
・スマホ対応:マイナンバーカード対応のスマホがあれば、スマホだけで完結
・e-Tax限定控除:青色申告65万円控除はe-Tax必須(自営業)
配当金の課税方式3つの選択肢
配当金・分配金の税金は、以下の3つの方式から選べます。所得状況によって最適な選択が変わります。
| 課税方式 | 税率 | 向いている人 |
|---|---|---|
| ①申告不要(源泉徴収) | 20.315% | ほとんどの人(デフォルト) |
| ②申告分離課税 | 20.315% | 損益通算・繰越控除をしたい人 |
| ③総合課税(配当控除あり) | 累進課税(5〜45%) | 課税所得330万円以下の人 |
課税所得330万円以下の方は、「総合課税+配当控除」で税率が下がる場合があります。例:課税所得200万円の方が配当金100万円を受け取った場合、申告分離課税なら約20万円の税金ですが、総合課税+配当控除なら約10万円に。確定申告で約10万円の節税が可能です。ただし国民健康保険料が上がる可能性もあるため、専門家に相談してから判断を。
海外ETFの配当金外国税額控除で取り戻せる
VOO・VT・VYM等の海外ETFの配当金は「日米で二重課税」されます。確定申告すれば米国課税分の一部を取り戻せる制度が「外国税額控除」です。
💡 海外ETFの二重課税の仕組み
VOOから100ドルの配当があった場合:
①米国で10%源泉徴収(配当減税条約税率)→ 90ドル受取
②日本で20.315%課税 → 約72ドル手取り(約28ドルが税金)
外国税額控除を申請すると:米国で引かれた10ドルの一部が、日本の税金から還付されます。
注意:NISA口座の海外ETFは外国税額控除の対象外。米国の10%は取り戻せません。このため海外ETFは特定口座で保有するほうが二重課税のインパクトが小さくなります。
「確定申告しないとバレる?」源泉徴収なしの場合の税務調査
「確定申告しなくてもバレないのでは?」と思う方もいるでしょう。結論:ほぼ確実にバレます。
①証券会社から税務署へ報告
証券会社は顧客の年間取引内容を「支払調書」として税務署に提出しています。税務署は全ての投資家の利益を把握可能。一般口座・特定口座(源泉徴収なし)で利益20万円超なのに申告していないと、ほぼ確実にバレます。
②マイナンバー制度で紐付け
証券口座にはマイナンバーが紐付いているため、税務署は個人単位で全ての証券口座の取引を把握できます。「別の証券会社だからバレない」は通用しません。
③申告漏れのペナルティは重い
申告漏れが発覚した場合、本来の税金+「無申告加算税」(税額の15〜20%)+「延滞税」(年7〜14%)が追加徴収されます。悪質な場合は「重加算税」(税額の35〜40%)。申告の手間を惜しむと数万〜数十万円の損失に繋がります。
税務署は意外と厳しく、過去5年分遡って調査されます。「特定口座(源泉徴収あり)」を選んで申告漏れのリスクをゼロにするのが最も安全です。
年末調整と確定申告の違い会社員が知っておくべき基礎知識
「年末調整」と「確定申告」の違いをきちんと理解しておくと、自分がどちらをすべきかの判断がスムーズになります。
| 比較項目 | 年末調整 | 確定申告 |
|---|---|---|
| 対象者 | 会社員・公務員 | 自営業・副業ある会社員等 |
| 手続き先 | 勤務先 | 税務署 |
| 期限 | 11〜12月(会社の指定) | 翌年2月16日〜3月15日 |
| 対応できる控除 | 生命保険料・iDeCo・扶養控除等 | 全ての控除(医療費・寄付金等も含む) |
| 投資の損益通算 | 不可 | 可能 |
会社員で投資の損益通算や医療費控除、ふるさと納税を確定申告する場合は、年末調整も含めて「全て確定申告でまとめる」ことになります。年末調整済みでも確定申告はできるため、投資の損失が出た年は迷わず申告しましょう。
確定申告の「期限後申告」と「還付申告」の違い
「3月15日を過ぎたらもう申告できない」と誤解する人が多いですが、実は「還付申告」なら5年間いつでも可能です。
| 申告の種類 | 対象 | 期限 | ペナルティ |
|---|---|---|---|
| 通常申告 | 納税義務がある人 | 翌年3月15日まで | なし(期限内申告) |
| 期限後申告 | 期限後に申告する人 | 通常は3月15日超 | 無申告加算税15〜20%+延滞税 |
| 還付申告 | 税金を取り戻したい人(納税義務なし) | 対象年の翌年1月1日から5年間 | なし(いつでもOK) |
iDeCoの控除忘れや医療費控除の申告忘れは、5年間遡って還付請求できます。例えば2023年にiDeCoの年末調整を忘れた場合、2028年12月31日まで還付申告が可能。気づいた時点で即申告すれば、節税メリットを取り戻せます。「今さら遅い」と諦めないでください。
ふるさと納税との関係併用時の注意点
ふるさと納税の「ワンストップ特例」を使っている会社員が、投資の確定申告をすると注意が必要です。
💡 ワンストップ特例のルール
ワンストップ特例は「確定申告不要な人」専用の制度。確定申告をすると自動的に無効になります。投資の損益通算や繰越控除で確定申告する会社員は、ふるさと納税分も一緒に申告する必要があります(忘れると寄付金控除が受けられず、ただの寄付になります)。
投資家が知っておくべき「税制改正」の動向
投資の税制は定期的に見直されます。2026年時点で注目すべき改正動向を整理しました。
| 時期 | 改正内容 | 影響 |
|---|---|---|
| 2024年 | 新NISA制度スタート(年間360万円・生涯1,800万円) | 非課税枠の大幅拡大 |
| 2024年 | 金融所得課税の強化検討(20.315%→25%) | 実施は見送り(現状維持) |
| 2026年 | 上場株式の配当所得の課税方式統一化の議論 | 所得税と住民税で別々の課税方式が選べなくなる |
| 今後の議論 | 金融所得課税の見直し・確定申告簡素化 | NISA優位性の継続が予想される |
政府は「貯蓄から投資へ」の流れを後押ししており、NISA関連の税制は維持・拡充される方向。一方で金融所得課税の強化(富裕層向け)も議論されており、高所得者ほどNISA・iDeCoの非課税枠を早めに埋める戦略が有効です。
筆者の実体験損益通算で12万円還付されたエピソード
2022年、米国株の利上げショックで僕の特定口座は大荒れでした。SBI証券では個別株の売却で70万円の利益が出ていた一方、楽天証券では損切りして40万円の損失。何もしなければSBIの70万円に20.315%課税されて約14万円の税金を払うところ。
e-Taxで損益通算の申告をしたところ、約8万円の税金還付がありました。さらに繰越控除も申請したため、2023年の利益に対して残り10万円分の損失を繰り越せた。結果、2年間で合計約12万円の節税効果。
作業時間はe-Taxでわずか25分。年間取引報告書の数字を転記するだけ。「確定申告は難しい」と敬遠する人が多いですが、投資の申告はシンプル。複数証券会社を使っていて損失が出た年は、必ず申告すべきこれがFP相談でお伝えするアドバイスです。

よくある質問
まとめ
投資の確定申告は口座種類によって要否が大きく変わります。「NISA+特定口座(源泉徴収あり)」を選べば、基本的に申告不要で最大の節税効果が得られます。
- 投資の税率:20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)
- NISA:完全非課税・申告不要
- 特定口座(源泉徴収あり):証券会社が自動納税・原則申告不要
- 特定口座(源泉徴収なし)・一般口座:利益20万円超で申告必要
- iDeCo:年末調整 or 確定申告で所得控除
- 損益通算・繰越控除:複数口座の損失がある時は申告して節税
- e-Tax:20〜30分で完了、マイナポータル連携で転記不要
「確定申告は面倒」と敬遠する必要はありません。「NISA+特定口座(源泉徴収あり)」なら、税金のことを気にせず投資に集中できます。複数口座で損失が出た年や、iDeCoをやっている自営業者は、確定申告で節税メリットを享受しましょう。
税金の知識は資産形成の基礎。この記事を読んで「自分は申告が必要か」が明確になったはず。まだNISA口座を持っていない方は、SBI証券か楽天証券で今日中に開設を。新NISAの始め方、iDeCoの詳細、iDeCoとNISAの優先順位も併せてどうぞ。税金を知ることで、1年あたり数万円〜数十万円の節約が可能これも立派な資産形成です。


