HOW MUCH SHOULD YOU INVEST?
新NISAは毎月いくら積み立てるべき?
年収別おすすめ金額を
シミュレーション
年収300万円〜1,000万円まで、あなたの年収に合った
「無理なく続けられる積立額」を具体的にお伝えします。
「新NISAを始めたいけど、毎月いくら積み立てればいいかわからない」「年収500万円だと月何万円が妥当?」「無理して月5万円にするより、月2万円で長く続けたほうがいい?」FP相談で最も多い質問の一つが「いくら積み立てるべきか」です。多すぎると生活がきつくなり、少なすぎると資産形成が進まない。この記事では、年収帯別に「無理なく続けられて、かつ十分な資産形成ができる」最適な積立額を、具体的なシミュレーション付きでお伝えします。
この記事でわかること
- 積立額を決める前に確認すべき「3つの数字」
- 年収300万〜1,000万円の年収別おすすめ積立額
- 各積立額×30年のシミュレーション(年利3%・5%・7%)
- 「手取りの何%を投資に回すべきか」の目安
- 積立額を増やすタイミングと方法
- 絶対にやってはいけない「無理な積立」の危険性
藤井拓也より(元メガバンク行員・2級FP技能士)
FP相談で「毎月いくら積み立てればいいですか?」と聞かれた時、僕はまず3つの質問をします。「毎月の手取りはいくらですか?」「毎月の支出はいくらですか?」「生活防衛資金はいくら貯まっていますか?」
驚くことに、この3つを正確に答えられる人は半分もいない。「だいたい30万くらい」「たぶん25万使ってます」「だいたい」と「たぶん」では適切な積立額は決められません。積立額を決める前に、まず自分の家計を「数字」で把握すること。これが最初の一歩です。
積立額を決める前に確認すべき「3つの数字」
数字 1
毎月の手取り収入
給与明細の「差引支給額」が手取り。額面(総支給額)ではなく手取りで考える。額面30万円の場合、手取りは約24万円。社会保険料と税金で約20%が引かれます。ボーナスは不定期のため、月の積立額には含めないのが安全。
数字 2
毎月の支出総額
家賃、光熱費、通信費、食費、日用品、交際費、サブスク、保険料……全て合計した「生活コスト」。家計簿アプリ(マネーフォワードME等)を使えば、3ヶ月分の支出を自動で集計できる。ざっくりでもいいので把握することが大事。
数字 3
生活防衛資金の残高
月の支出×3〜6ヶ月分を普通預金に確保しているか。月の支出が20万円なら60〜120万円。これがないと、急な出費で投資を売却する羽目になる。生活防衛資金が十分に貯まっていない場合、投資の前に貯金を優先してください。
積立額の計算式
投資に回せる月額 = 手取り月収 − 月の支出 − 貯蓄額
この「投資に回せる月額」の全てを投資する必要はない。まずは50〜70%から始めて、慣れたら増やす。

年収別|おすすめ積立額と30年後のシミュレーション
ここからが本題。年収帯別に「現実的な積立額」と「30年後の資産額」を示します。全て年利5%(全世界株式の長期平均に近い水準)で計算。
INCOME LEVEL
年収300〜400万円(手取り月収約20〜25万円)
| おすすめ積立額 | 月1〜2万円 |
| 手取りに対する比率 | 約5〜10% |
| 30年後の資産額(月1万円) | 約832万円(元本360万円 / 運用益+472万円) |
| 30年後の資産額(月2万円) | 約1,665万円(元本720万円 / 運用益+945万円) |
| ポイント | 無理は禁物。月1万円でも30年で832万円。まずは1万円から始めて、昇給時に増額するのがベスト。生活防衛資金の確保を優先。 |
INCOME LEVEL
年収400〜600万円(手取り月収約25〜33万円)
| おすすめ積立額 | 月2〜5万円 |
| 手取りに対する比率 | 約8〜15% |
| 30年後の資産額(月3万円) | 約2,497万円(元本1,080万円 / 運用益+1,417万円) |
| 30年後の資産額(月5万円) | 約4,161万円(元本1,800万円 / 運用益+2,361万円) |
| ポイント | 最もボリュームゾーン。月3万円で老後2,000万円問題をクリア。子育て世帯は教育費との両立が課題。5年以内に使うお金は現金で別管理。 |
FP相談でこの年収帯のお客さんに最も多いパターンは月3万円のオルカン積立。共働き世帯なら夫婦それぞれのNISA口座で月3万円ずつ、合計月6万円という方も多い。
INCOME LEVEL
年収600〜800万円(手取り月収約33〜43万円)
| おすすめ積立額 | 月5〜10万円 |
| 手取りに対する比率 | 約15〜25% |
| 30年後の資産額(月5万円) | 約4,161万円 |
| 30年後の資産額(月10万円) | 約8,323万円 |
| ポイント | つみたて投資枠の上限(月10万円)に近い水準。iDeCoの併用も検討。住宅ローンがある場合は返済額とのバランスを考慮。 |
INCOME LEVEL
年収800万円以上(手取り月収約43万円以上)
| おすすめ積立額 | 月10万円(つみたて投資枠上限)+余裕があれば成長投資枠も |
| 30年後の資産額(月10万円) | 約8,323万円 |
| ポイント | つみたて投資枠を使い切り、成長投資枠の活用も視野に。ただし生活の質を落としてまで投資に回す必要はない。余裕資金の範囲で最大化。 |
年利3%・5%・7%の3パターン完全シミュレーション
「年利5%は楽観的すぎない?」「もっと控えめに見積もりたい」という方のために、年利3%(控えめ)・5%(標準)・7%(楽観的)の3パターンで全額を計算しました。
月1万円の積立シミュレーション
| 年利 | 10年後 | 20年後 | 30年後 |
|---|---|---|---|
| 元本 | 120万円 | 240万円 | 360万円 |
| 年利3% | 約140万円 +20万円 |
約328万円 +88万円 |
約583万円 +223万円 |
| 年利5% | 約155万円 +35万円 |
約411万円 +171万円 |
約832万円 +472万円 |
| 年利7% | 約173万円 +53万円 |
約521万円 +281万円 |
約1,220万円 +860万円 |
月3万円の積立シミュレーション
| 年利 | 10年後 | 20年後 | 30年後 |
|---|---|---|---|
| 元本 | 360万円 | 720万円 | 1,080万円 |
| 年利3% | 約419万円 +59万円 |
約985万円 +265万円 |
約1,748万円 +668万円 |
| 年利5% | 約466万円 +106万円 |
約1,233万円 +513万円 |
約2,497万円 +1,417万円 |
| 年利7% | 約520万円 +160万円 |
約1,563万円 +843万円 |
約3,661万円 +2,581万円 |
月5万円の積立シミュレーション
| 年利 | 10年後 | 20年後 | 30年後 |
|---|---|---|---|
| 元本 | 600万円 | 1,200万円 | 1,800万円 |
| 年利3% | 約699万円 +99万円 |
約1,642万円 +442万円 |
約2,914万円 +1,114万円 |
| 年利5% | 約776万円 +176万円 |
約2,055万円 +855万円 |
約4,161万円 +2,361万円 |
| 年利7% | 約867万円 +267万円 |
約2,605万円 +1,405万円 |
約6,101万円 +4,301万円 |
月10万円の積立シミュレーション
| 年利 | 10年後 | 20年後 | 30年後 |
|---|---|---|---|
| 元本 | 1,200万円 | 2,400万円 | 3,600万円 |
| 年利3% | 約1,397万円 | 約3,283万円 | 約5,827万円 |
| 年利5% | 約1,553万円 | 約4,110万円 | 約8,323万円 |
| 年利7% | 約1,734万円 | 約5,210万円 | 約1億2,203万円 |
注意:シミュレーションは「目安」です
実際の株式市場は毎年一定のリターンではなく、ある年は+20%、ある年は-15%と大きく変動します。このシミュレーションは「長期平均」として示しています。控えめに見積もるなら年利3%で計画し、実際に5〜7%になれば「ボーナス」と考えるのが安全な心構えです。
「手取りの何%を投資に回すべきか」の黄金ルール
アメリカで広く知られる家計管理の法則に「50/30/20ルール」があります。これを日本版にアレンジすると、投資に回すべき割合の目安が見えてきます。
| カテゴリ | 手取りに対する割合 | 含まれるもの | 手取り25万円の場合 |
|---|---|---|---|
| 生活必需費 | 50% | 家賃、光熱費、通信費、食費、保険料、交通費 | 12.5万円 |
| 自由裁量費 | 30% | 趣味、交際費、外食、旅行、被服費 | 7.5万円 |
| 貯蓄・投資 | 20% | 生活防衛資金の積立、新NISA積立、iDeCo | 5万円 |
手取りの20%を貯蓄・投資に回すのが理想。手取り25万円なら月5万円。ただしこれは「理想」であり、子育て中や住宅ローン返済中は10〜15%でも十分。
生活防衛資金がまだ不十分な場合
20%のうち15%を貯金、5%を投資に配分。生活防衛資金が3〜6ヶ月分貯まったら、投資の比率を上げていく。手取り25万円なら「貯金3.75万円+投資1.25万円」からスタート。
生活防衛資金が十分にある場合
20%の大部分を投資に回せる。手取り25万円なら月4〜5万円を新NISAで積立。残り1万円は予備の貯金。この水準を維持できれば、30年で4,161万円が視野に入る。

ライフステージ別の積立額調整ガイド
同じ年収でも、ライフステージによって投資に回せる金額は大きく変わります。無理なく続けるために、ライフステージに合わせた調整が必要です。
| ライフステージ | 投資の優先度 | 推奨アクション | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 独身・20代 | 高い | 手取りの15〜20%を積立。自己投資(スキルアップ)も並行 | 生活防衛資金がまだ少ない人が多い。貯金と並行 |
| 結婚直後(子なし) | 高い | 夫婦2口座で投資。共働き期間を最大限活用 | 住宅購入の頭金を貯めている場合は投資と貯金のバランスに注意 |
| 子育て期(子ども小〜中学生) | 中程度 | 積立額を一時的に減額してもOK。月1〜3万円でも続ける | 教育費がかさむ時期。投資を「止めない」ことが最重要 |
| 子育て期(高校〜大学) | 低め | 教育費が最もかかる時期。積立を最低額(月1,000〜5,000円)にしてでも継続 | この時期に投資を「完全に止める」のだけは避ける |
| 子ども独立後(50代〜) | 高い | 教育費がなくなった分を一気に投資へ。手取りの20〜30%も可能 | 退職まで15年以上あれば積極的に。リスク許容度に合わせて |
| 退職後 | 守り重視 | 新規積立は年金・収入に応じて。既存資産は取り崩しながら運用継続 | 一括で全額投資しない。3〜5年分の生活費は現金確保 |
最も重要なメッセージ
「積立額を減らしてもいいから、止めるな」。子育てで家計がきつい時、月5万円を月1,000円に減らしてもいい。でも「止める」のだけは避けてください。投資を止めると、再開のハードルが心理的に高くなり、そのまま何年も放置するパターンが非常に多い。月1,000円でも「続けている」という事実が、将来の再開を容易にします。

積立額を増やすベストなタイミング5選
「いつ増額すればいい?」以下の5つのタイミングが自然な増額のチャンスです。
昇給・昇格した時
手取りが月2万円増えたら、そのうち1万円を投資に追加。「生活水準を上げない」のがコツ。昇給分を全額使ってしまうと「ライフスタイル・インフレーション(生活の膨張)」に陥る。
固定費を削減した時
格安SIMに変更して月6,000円浮いたら、その分を投資へ。保険を見直して月1万円削減できたら、丸ごと追加。「支出を減らす→投資を増やす」は最もストレスのない増額方法。
生活防衛資金が目標額に達した時
貯金に回していた分を投資にシフト。月の余剰金5万円のうち3万円を貯金・2万円を投資にしていたなら、貯金目標達成後は4万円を投資に。
子どもが独立した時
教育費の負担がなくなる=月数万円の余裕が生まれる。子育て期に月1万円に抑えていた人が、ここで月5〜10万円に引き上げるケースが多い。「今まで我慢した分を取り返す」感覚。
投資に慣れてきた時(3〜6ヶ月後)
月1万円で始めて3ヶ月。値動きに慣れ、「投資って普通のことだな」と感じたら、月2〜3万円に増額。少額投資の記事でもお伝えした「ステップアップ方式」。金額は3ヶ月ごとに5,000円ずつ上げるのが無理なく続けるコツ。
「無理な積立」が招く3つのリスク
「多く積み立てたほうが有利」は事実ですが、無理な積立はかえって逆効果です。
生活費を圧迫して投資を売却する羽目に
月10万円を無理して積み立てた結果、急な出費(家電の故障、医療費等)に対応できず投資を売却。売却のタイミングが暴落中だったら、大きな損失に。生活防衛資金なしの投資は、最もやってはいけないパターン。
ストレスで投資自体をやめてしまう
「毎月の生活がきつい→投資のせいだ→もうやめよう」。無理な積立はストレスの源になり、投資そのものを嫌いになるリスクがある。月3万円の積立を30年続けた人のほうが、月10万円の積立を3年でやめた人より資産が多い。「続けること」が最重要。
借金して投資する
消費者金融やカードローン(金利15%前後)で借りて投資するのは絶対にNG。投資のリターンは年5〜7%。借金の金利は15%。差し引きマイナス。借金がある場合は返済を最優先。特にリボ払いは「見えない借金」として膨らみやすいので、まずリボ残高をゼロにしてから投資を始めてください。

FP相談で「積立額」に関して最も多かった質問
「ボーナスも積立に回すべき?」
ボーナス全額を投資に回す必要はありません。ボーナスは不確定な収入なので、積立額の基準には含めないのが安全。ただし、ボーナスの一部(30〜50%程度)を生活防衛資金の積み増しや、積立額の一時的な増額に使うのは合理的。6ヶ月に分けて月の積立に上乗せする方法がおすすめ。
「住宅ローンと投資、どう両立する?」
住宅ローンの金利が1%前後なら、繰上返済よりも投資(年利5%想定)のほうがリターンが高い。ローン返済と投資を並行するのが一般的です。ただし、変動金利ローンの場合は将来の金利上昇リスクも考慮してください。ローン返済で家計が厳しいなら、投資は月1〜2万円からで十分。
「夫婦で口座を分けるべき?」
可能であれば夫婦それぞれNISA口座を持つべきです。非課税枠は1人1,800万円×2人=3,600万円に倍増。月3万円ずつなら合計月6万円。30年後には約4,994万円(=2,497万円×2)。ただし無理して2口座分を埋める必要はない。まずは1口座から。
「毎月の積立額を変動させてもいい?」
OKです。ドルコスト平均法の効果は「定額」で最大化しますが、多少の変動は長期では誤差レベル。余裕がある月は増額、きつい月は減額。大事なのは「止めないこと」。証券会社の管理画面から、積立額はいつでも変更できます。
よくある質問
まとめ
新NISAで毎月いくら積み立てるかは、「年収」ではなく「手取り−支出−貯蓄」で決まります。大切なのは「最適な金額」を見つけることよりも、「無理なく続けられる金額」で今日始めること。月3万円の積立を30年続ければ約2,497万円。老後2,000万円問題はクリアです。
- 積立額は「手取りの10〜20%」が目安。生活防衛資金の確保が最優先
- 年収400〜600万円なら月2〜5万円が現実的。月3万円×30年で約2,497万円
- ライフステージに合わせて柔軟に増減OK。ただし「止めない」ことが鉄則
- 増額のチャンスは昇給・固定費削減・子どもの独立時
- 無理な積立は逆効果。「続けること」が最も大切
今日できることは1つ。自分の「手取り」「支出」「生活防衛資金」の3つの数字を確認してください。そして無理のない額を決めて、新NISAの始め方を参考に積立を設定しましょう。銘柄選びはおすすめ銘柄ランキング5選、複利の効果は複利シミュレーションもあわせてご覧ください。


